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貴志祐介のおすすめ小説8選を個人的に面白かった順にランキング形式で紹介します。

ホラー小説が好きな方の中には貴志祐介の作品が好きという人もいるのではないでしょうか?

黒い家』や『悪の教典』などの代表的なホラー作品を書いている作家さんですが、実はSFや推理小説など様々なジャンルを書かれています。

貴志祐介の作品は怖さだけではない魅力があります。

この記事では、貴志祐介の作品をランキング形式で紹介していきますので、是非見てみてください。

貴志祐介の本は心理描写がたくみで面白い

(出典:https://unsplash.com/photos/UyVbyimlAgE?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditShareLink)

小説を読む前に作者のことを知っておくのも小説の醍醐味のひとつだと思いますので、貴志祐介氏についてご紹介します。

作者のことを知らずに純粋に小説を読みたいという方は飛ばして記事を読み進めてください。

貴志祐介は、1959年1月3日生まれで大阪出身の小説家。既婚で子供がいて、趣味はロックの音楽鑑賞と意外と一般的なのかもしれません。

30歳の時に8年務めた朝日生命保険会社を同僚の事故死をきっかけに辞めて、執筆・投稿活動に専念します。

1996年に『13番目の人格 ISOLA』で第3回長編賞佳作を受賞して文壇デビューを果たし、『黒い家』や『天使の囀り』など代表的なホラー作品を発表しているがホラーだけではなくSFや推理小説など幅広いジャンルを手掛けています。

作品は映画化やドラマ化となっているものもあり、アニメ化や漫画化と様々なメディアに露出しており人気作家と言えるでしょう。

 

貴志祐介のおすすめ本をランキング形式で紹介

貴志祐介の小説を多く読んできた僕がおすすめの本をランキング形式で紹介します。

全ての作品は読んでいませんが今までに読んだ作品の中でランキング付けしてみました!

1位.『新世界より』

舞台は1000年後の日本で念動力を手に入れた人類の行く末を描いた1000ページを超えるSF長編小説。

この世界の子供たちは呪力と呼ばれる念動力を12歳ごろに発現し、全人学級へ入学して呪力の訓練をしながら平和な日々を送っている。

ある日、仲の良い少年少女が夏季キャンプに行った際に先史文明が遺した自律型図書館の「ミノシロモドキ」と出会い、禁断の知識を知ってしまったことで徐々に平和が崩れていく…。

坂本

超能力が使えたら世界はどう変わるのかを徹底的にリアルに考え抜かれた小説です。そして設定が細かくSFだけどリアリティーがすごくて読めば読むほどはまります。

物語の主人公である早季が書いた手記という形で進行していき、12歳・14歳・26歳の3部作となっていますが登場人物の成長や変化も見どころです。

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2位.『天使の囀り』

新聞社主催のアマゾン調査隊に参加したメンバーの一人が別人のように変わってしまう。

そのメンバーは病的な「死恐怖症」であったはずだったが、アマゾン調査に行ってからは死ぬことが幸福であるかのように感じている様子でついには自殺してしまう。

さらに、他のメンバーも次々に様々な方法で自殺していく…。

自殺してしまったメンバーの恋人であった早苗は、アマゾンで一体何が起こったのか調べていくが…。

坂本

ホラー小説として純粋に楽しめる小説ですが、天使の囀りとはいったい何なのかというミステリー要素も含まれていて読んでいて飽きない小説でした!

僕は気になりませんでしたが読後感が悪いという小説で話題になっていただけあり、好き嫌いの別れる小説かもしれません。

ただテンポがよくて読みやすく、内容もエキセントリックで面白いので意外と多くの人におすすめできる作品なのではないかと思っています。

 

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3位.『青い炎』

主人公である秀一は母と妹の3人で平和に暮らしていたが、母が10年前に別れた夫が家に入り込み居座り続ける。

元夫は母の体だけではなく妹にまで手を出そうとしており、秀一は静かな怒りを徐々につのらせていた。

警察も法律も家族を守ってくれないことを知った秀一は家族のために完全犯罪を計画するが…。

坂本

この小説はミステリーの中でも犯人の視点から描かれた倒叙ミステリーとよばれる書き方をしております。

高校生という複雑な感情が絡み合う青年が完全犯罪を計画して実行する心理というものが垣間見えるところが見どころです。

家族のために自らを犠牲に孤独に戦い続ける青年の最後は本当に切ないものでした…。

4位.『悪の教典』

英語の教師である蓮実誠司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒や保護者から人気を博していた。

誰からも慕われる圧倒的人望を誇る先生だったが、問題や邪魔者がいると躊躇なく排除してしまう共感性が無いサイコパスの殺人鬼であった。

学園祭の準備で学校に泊まり込みで生徒達が集まった夜に先生の犯罪に気付く生徒がいるが時すでに遅く、先生は口封じのため、皆殺しを計画する。

こうして狂気の殺戮に満ちた血塗られた夜が始まった…。

坂本

「悪の教典」は2012年に漫画化・映画化もされているくらい人気の作品ですが、小説に苦手意識がなければ小説で読むことをおすすめします。

小説ではサイコパスの先生が学校の登場人物を支配していく際における登場人物の心理描写を細かく描かれているのでより作品を楽しむことができると思います。

 


5位.『黒い家』

大手の生命保険会社で働いている若槻慎二は、ある日、顧客の家に呼び出される。顧客の家で子供が首を吊っており、死体の第一発見者となってしまう。

顧客から死亡保険金を請求されるが、事件の疑いが濃厚に感じた若槻慎二は他殺を確信して、独自に調査を始める。

しかし、調査を進めていく内に若槻慎二とその周囲で命が脅かされることになる…。

坂本

サイコホラー小説でサイコキラーが出てくる「悪の教典」よりも前に発表された小説であり、サイコパスが認知されるきっかけとなったパイオニア的作品だと思います。

ミステリー要素もあるので楽しめる所もあるのですが、恐怖感は凄まじくて、貴志祐介の作品の中でも群を抜いて怖かったです。

純粋に怖い作品を求めている方には是非ともおすすめしたいですが、個人的には怖すぎて読後感が悪かったので5位としました。

 

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6位.『13番目の人格-ISOLA-』

由香里は人の感情を読み取ることができるエンパスだった。

阪神淡路大震災で傷ついた被災者の心をケアするボランティアをしていた時、病院で長期入院しているという森谷千尋という少女に出会う。

千尋は一見あどけない少女に見えるが、実は12人もの人格を抱える多重人格者であった。

エンパスである由香里は多重人格者である千尋の中に、13人目の「ISOLA」という凶悪な人格がいることに気付く。

そして、「ISOLA」の人格を抱える千尋に関わった人間は不審な死を遂げていき…。

坂本

人の感情を読み取れるエンパスの少女がいることで13人もの人格を抱える少女という難しいキャラクターも心理描写をしっかりと描くことができていて違和感なく作品に没入できるかと思います。

デビュー作から貴志祐介のホラーが炸裂してなかなか怖いです。「黒い家」が好きな人はこの作品も好きかと思います。

 


7位.『硝子のハンマー』

株式上場を間近に控えていた介護サービス会社の社長室で社長の撲殺死体が発見された。

社長室には厳重なセキュリティーがあるため、それは密室での殺人だった。

誰がどうやって密室での犯行をしたのか? 美人弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本径が密室の謎に挑む。

坂本

貴志祐介の作品の中では珍しく怖くないミステリー小説で、密室の謎はミステリー好きには純粋に楽しめることでしょう。

また青砥と榎本のキャラクターが魅力的で二人の掛け合いも見どころです

 

 

8位.『クリムゾンの迷宮』

ある日、目覚めると深紅色の奇岩で覆われた見たこともない光景が広がっていた。

中年の元会社員である藤木芳彦は状況がつかめないまま茫然としていたら、傍に置かれた携帯ゲーム機が「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」と続くメッセージを映し出す。

突然開始された謎の大地で行われるゼロサム・ゲーム、それは生存をかけた命がけのサバイバルゲームだった。

坂本

デスゲーム系の元祖ともいえる作品です。生き残りをかけた極限状態においての人間心理などが垣間見えてスリル満点の小説でした。

ただ、デスゲーム好きには少しありきたりな展開で物足りないかもしれません…。

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番外編

貴志祐介のおすすめ本ランキングには入れませんでしたが興味深い作品として2つ紹介します。

1.『エンタテインメントの作り方』

貴志祐介の作品がどのようにして作られるのか、小説の書き方、創作秘話を公開した本です。

小説のアイデア、プロット、キャラクターの作り方から文章作法、推敲など文章のテクニックまで知ることができます。

坂本

貴志祐介の作品はホラー色が強いですが、読者を夢中にさせるエンターテイメント力も高いです。そのエンターテイメント力がどのようにして作られるのか知ることができるので貴志祐介好きには読んでもらいたい本のひとつです。

また、今までの作品を例にして小説の書き方を解説するため、貴志祐介の作品を読んだことがある人にとっては「そういう狙いがあったんだ…」とちょっと変わった楽しみ方ができます。

ただ、小説の書き方についてはすでに数多くのハウツー本が出回っているので、小説の書き方について本気で勉強してる人にとっては物足りないかもしれません。

 

2.『我々は、みな孤独である』

探偵である茶畑徹郎の元に「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼が舞い込んだ。

前世など存在しないと考える茶畑と助手の毯子だったが、調査を進めるにつれ前世の記憶が蘇る。

犯人の正体を見つけることができるのか? 著者7年ぶりの長編。

坂本

著者7年ぶりの長編で貴志祐介の集大成とだけあって、今までの作品にあったホラー展開をこえるようなシーンが続出します。

一応ミステリー小説だとは思いますが、伏線が回収されず読者を置いてけぼりにしている感が否めない難しい本だなという印象でした。

まとめ

貴志祐介の作品で興味を持ったものはあったでしょうか?

貴志祐介は「怖さ」や「気持ち悪さ」といった描写がとても上手な作家さんなので「ホラー苦手だし…」といった方は、敬遠するかもしれませんがエンターテイメントとして楽しめるホラー作品という感じで読みやすいのでホラーが苦手な方にも読んでもらいです。

 

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