日常生活や仕事の際に、いいアイデアだと思っても相手の反応がいまいちだったりそもそも話が伝わりにくいといった経験はありませんか?
そのような方はもしかするとそのアイデアが表面的なものになっていたり、大事なポイントが抜けている可能性があります。
自分のアイデアや考えを他人に説明して、共感や納得してもらうには「論理」が必要となってきます。
社会人には問題解決や情報整理としてロジカルシンキング(論理的思考力)
は身につけておくべきスキルだと思います。
本書は社会人になると日々忙しく時間も取れない中でロジカルシンキングを学ぶ時間が無いと言う人におすすめの入門書として紹介します。
イラスト付きで分かりやすい
見るだけノートというタイトル通りに見るだけでロジカルシンキングの考え方の基本が分かります。
イラスト付きでイメージしやすく2~3時間程度で読むことができるのでロジカルシンキングについて何も知らない人でも抵抗なく読めると思います。
ロジカルシンキングとは?
簡単に言うと課題に対して客観的に分析を行い効率的な方法を見出すもの。
最適な方法で最適な解を導くための思考法です。
例えば、一年で売り上げを2倍にしたい!という目標(課題)があるとすると次のように考えます。
このように売り上げについて市場規模とシェアという二つの要素に分けて考え市場規模が伸びている場合とそうでない場合でどういった対策が有効かを深堀していきます。
シェアを伸ばす必要がある場合にはさらに製品数、顧客数、販売台数などを上げる必要がありそれについての調査、分析が必要となってきます
ロジカルシンキングの基礎の基礎
ロジカルシンキングと考えると難しいですが基本的には誰もが日常生活の中で自然に行っている思考法を論理的に応用していくだけです。
ロジカルシンキングには大きく分けて二つあります。
このように帰納法とは多くの事実から類似点、共通点をまとめて結論を導く思考方法です。
帰納法には綿密なデータが必要ですが演繹法では大前提となるルールから結論を導く思考方法です。
- 演繹法と帰納法のメリットデメリット
- 演繹法では一つずつ仮説を検証していく為、結論までは時間がかかるが説得力を持ちやすい。
帰納法では結論までは短い時間でたどり着けますが個々の事例を調査または想像する必要があるので確証バイアス等が生じやすいのかなと思います。
論理的に考えるための思考方法
本書ではロジカルシンキングとして様々な思考方法を紹介しています。
①論理的に考える基本
ピラミッド構造
分析対象を様々な要素で細分化していくことで図式がピラミッド状になることから、こう呼ばれる。自分が見落としていた要素も見つけやすく様々な要素の関係性や全体の構造を俯瞰し的確な判断を下せるようになる。
ピラミッド構造を考える上で重要になる最初の切り口(ゴールデンカット)は様々な角度から考える
②もれなくダブりなく考える
MECE
考える要素にモレや抜けがあると的外れな思考に陥る為、考える際は、「前後・左右・上下」へと多面的にビックピクチャー(多面的な視点)を描いて考える必要があります。
③問題解決の為のロジカルシンキング
イシューツリー
「仮説」を検証する論点(イシュー)を構築するピラミッド。
正しい答えにたどり着くために「仮説」を持つことで具体的に分析が可能になり
「仮説」を検証するために様々な疑問文のイシューが考えられ、「AだからB」なので仮説は正しいと逆説的に示していく構図です。
ピラミッド構造と比べると仮説を立てる段階で難易度が上がりますが問題解決の為の重要な要素や視点が得るのに精度の高い結論を導くことができる思考方法です。
So What?/Why So?
話の飛びをなくす技術事実、事象に対してだからどうなる?(So What?)結論、事象に対してなぜそうなる(Why So?)これを繰り返すことで結論の根拠が明確になり論理性が高まります。
④思考の質を高めるためのロジカルシンキング
類似相関
実際には因果関係は無いのに「結論ありき」で考えてしまい一見関係がありそうで、実は全く関連性がないというのが類似相関です。
結論が出てもまずはその結論を疑いその構造が正しいのか検証するといいです。
個別解
主語を置き換えても成立する一般解ではなく、ある個人の具体的な内容や情報がある個別解の方がビジネスシーンでは重要になる。
⑤コミュニケーションをロジカルにして説得力を高める
アンサーファースト
アンサーファーストとは読んで字のごとく結論から述べることです。
日本の文法では結論は最後に持ってくるようになっていますが聞き手側としては
何の話かわからずに説明を聞くよりも結論から聞いた方が聞く体制も作りやすく話が伝わりやすい。
メタ認知
自分を主張するだけでは相手を説得できません。
相手の気持ちを理解するには自分と相手を俯瞰して客観的に見るメタ認知を身につけることで相手との距離は縮まります。
⑥思考実験で自然と身につく
「ロジカルシンキング」の訓練
功利主義
功利主義とは最大多数の最大幸福の考え方です。
個人の幸福の総計が社会全体の幸福であり社会全体の幸福の最大化が社会の善である
という考え方です。
有名なのはトロッコ問題。トロッコの先には5人いてレバーを引くことで路線が変わり
5人は助かるが路線が変わった先の1人が死ぬという問題。どちらが正解とかは無いと思いますが少数を犠牲にして多数を助けるというのは功利主義的な考え方です。
実際にそんな場面に出くわしたら僕は一人を犠牲にしてしまうかもしれないです。
でもその一人と面識があればレバーを動かしたくない・・・。
難しい問題です。
タイムパラドックス
こちらもなかなか有名なテーマではないでしょうか。
日本国民なら誰もが知っている『ドラえもん』でも扱っているため知らない人はいないと思います。
簡単に言うとタイムマシンで過去に行って過去の自分を殺すと現在の自分はどうなるのか?という話です。タイムマシンには夢とロマンがつまっていますね!
発明される時代がくるんでしょうか?
精神だけ過去にとかでも面白そうですが世界線が滅茶苦茶になりそうなのでやはり
実現不可能なんでしょうか。
ちなみにタイムリープとかそういう作品は個人的にはすごく好きです。
名作が多いと思います。
ロジカルシンキングは鍛えられる
最後にロジカルシンキングの基本を学ぶことは大事ですが知識として知っているだけでは残念ながらあまり実践で活かすことは難しいです。
なのでロジカルシンキングの基本を学んだら普段から論理的思考のくせをつけるようにして論理的思考力を鍛えていきましょう。