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ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海 人生に前向きになれる小説

『ちょっと今から仕事やめてくる』は第21回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞〉受賞作。発行部数が60万部突破し2017年5月27日に映画化もされている。

あらすじ

ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。

同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということが分かる。

なぜ赤の他人にここまでするのかと気になった隆は彼の名前で個人情報をネット検索するが出てきたのは、3年前に激務で自殺した男のニュースだった。

スカッとできて最後は泣ける、会社が辛いと感じるサラリーマンに是非読んでもらい物語。

 

感想。ネタバレあり

最近というか近年流行りの長文タイトル。

その中でも特に目を引くような作品で僕は映画を一昨年観てすごく感動したのを覚えています。 一見するとネガティブな作品かと思ったんですがとても前向きで力強い作品ですごく勇気が貰えます。

僕自身、現在はサラリーマンやらせてもらってるので隆の気持ちがわかる気がして共感しやすかったです。でも映画を見た時も思ったんですが隆の会社はブラックすぎてびびります。今どきだとボイスレコーダーとかで訴えたら勝てるレベルですね笑

映画も良かったですが、小説も一文一文が短くて、読みやすい作品でした。

自分の人生は何のためにあるのか?

隆が自身の情けなさに絶望し、フェンスから飛び降り自殺しようとした時にヤマモトが隆に人生はなんのためにあると思うか問います。

隆は会社のためとか自分のためとか答えますがヤマモトは半分は自分のため、半分は自分を大切に思ってくれているひとのためと言います。

絶望してどん底にいる時は何もかもが見えなくなって自分自身すら見えないような状態だと思うんですがそんな時は、今までの人生で自分を大切に思ってくれている人をつまり家族とか思い出して家族がどんな思いで自身を育ててくれたかとか考えると自殺なんて到底できませんよね。

虐待されてたとかだと話は別ですがでも一人でもそういった大切な人がいればそれだけで生きる意味があるのではないでしょうか。

僕だって大切な人がいなくなるのは嫌ですからね。

世界は変えることができない

隆がヤマモトとの出会いにより心境に変化が起こり強い決意をもって会社に退職届を出しに行く時に『僕には世界を変えることはできません!』と声高々に言い放つんですがかっこいいです。映画でも見どころのシーンですね。

世界どころか、会社、部署、人の気持ちすらも変えれないでもただ一つ

自分の人生は変えることができる それがもしかすると大切な誰かの人生を変えることに繋がるのかもしれないと言います。

自分の人生は後悔のないように生きたいなと人生っていうのは限りなく自由なんだってことを感じさせられました。どことなく実存主義っぽいですね。

会社を爽やかに辞めてルンルン気分になった隆は元の会社よりも自分に合った会社を

見つけることができそれが心理カウンセラーで兄弟をなくしたヤマモトの心を救うというとても心温まるラストで最高の小説でした。

最後に・・・

世のサラリーマンに特に、若い新入社員とか就活中の人とかに読んでもらい作品でした。人生における仕事の時間って定年まで働くとしてだいたい40年なのでやっぱり会社選びって重要だなと思います。

世の中の右も左も分からない時に会社選ぼうったて難しいですしやっぱり若い内から色々経験して失敗してその中から自分の中で答えって見つかるんじゃないかなって思いました。最後に素晴らしい隆ママの言葉を贈ります。

―大丈夫よ。人生なんてね、生きてさえいれば、案外なんとでもなるもんよ。

本書p179

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