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変身/フランツ・カフカ 実存主義的な文学

たまには海外文学も読みたいなぁと思って『変身』読んでみました。

 

『変身』はフランツ・カフカの作品でも有名な作品。

実存主義的な文学として評価された。

映画化もされており、この作品によって影響を受けたものも多い。

ちなみに仮面ライダーの変身はここからきたみたいですね笑

 

実存主義とは何か?

カフカの文学を読んで調べていくと実存主義という言葉が出てきましたが僕自身、分からなかったので調べました。

変身という作品を考察するのには知っておいた方がより深く理解できるかなと思ったので、解説します。僕なりに理解した範囲での解説なのでわからないかもしれませんが・・・。

 

実存主義とは

❝人間の実存を哲学の中心におく思想的立場。あるいは本質存在に対する現実存在の優位を説く思想。実存の当初の日本語訳は「現実存在」であったが、九鬼周造がそれを短縮して「実存」とした。❞ ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典引用

 

正直、哲学が絡んでおり難しいですが、哲学というのは簡単に言うと人間の思考(人生、世界等)について探求する学問だと考えます。 

本質とは物事の根本的な性質・要素

現実とは目の前にある事実。

説明が難しいですがフランスの哲学者サルトルが分かりやすく言ってくれてます。

『実存は本質に先立つ』という言葉です。

 

実存が本質に先立つのは・・・

人間が現実に存在し人生という過程を経てから初めて本質が決まる

逆に本質が実存に先立つのは・・・

例えば神様が本質を決め人間を創った為に人間という存在の本質はすでに決められているという考えです。

分かりやすく身近なもので例えるとものを切る(本質)の為に作られたナイフは本質が先にある状態です。ナイフという存在があり試行錯誤していくとものを切るのに適していることを発見していくのであれば実存が先にある状態ですが人工物である為、考えられません。

 

この思想は人間とはこうあるべきだという固定的な考え方ではなくフレキシブルで自由な考え方であります。

人間は生まれながらにして自由であり自分の存在、人生の意味は自分自身で見つけていかなければならない自分の人生がどれ程、悲惨でも孤独でもそれは自らが選択した結果でしかないということです。

『人間は自由という刑に処されている』 というサルトルの言葉があります。

社会の中で縛られて生きている人も自由。

それはやめようと思えばやめることができるため。

自由であるが故に人間には孤独と責任が伴う不安が生じそれに耐え切れなくなってしまい自己欺瞞に陥ってしまうこともあるようですがそれでも人間は自由であることに責任を持ち自己を作り上げる為に積極的に行動していくことが大事なんだと思います。

 

 

小説がニガテな方は漫画版の方もおすすめ

 

あらすじ

 平凡なサラリーマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢から覚めたある日、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する・・・。

毒虫へと変わってしまった家族の顛末を描く物語。

  

感想、ネタバレあり

 主人公がいきなり毒虫へと変貌する奇異な小説で僕はそういうのが大好きなので今回この作品を選びましたが様々な解釈ができる思ったよりも深い作品で素直にすごいなと思いました。

フランツカフカはネガティブな偉人のイメージがありゲーテのポジティブさと比較したゲーテカフカの名言集で知りましたが驚くほど自分に対してネガティブででもそこにカフカの誠実さも垣間見えそんなカフカがネガティブな事を言っているのは何故か共感や勇気が貰えるので僕は好きです。

 

物語は3部にわかれています。

第一部は販売員をしているグレゴールが毒虫に変わり仕事に行く時間になってもどうすることもできないため部屋に閉じこもっていると仕事の支配人がやってきてグレゴールはとうとう部屋を開けるが彼の姿にパニックを起こし支配人は逃げ出し、父により無理やり部屋へ戻される。

 

第二部は、毒虫になった後、妹のグレーテが毒虫の姿に嫌悪しながら世話をする。

しばらくすると部屋の中を這いまわるようになりこれに気付いたグレーテが這いまわるのに邪魔な家具を全て出してしまおうという。グレーテは母親と協力して運び出すがグレゴールは自分が人間だった頃の痕跡を取り除いてよいかと思いはじめ、壁にある一枚の絵に張り付き抵抗の意思を見せる。

それを見た母親が気絶してしまい、外に出たザムザを父親がりんごを投げて部屋へ戻す。このときにりんごがグレゴールの体に埋まり傷付く。

 

第三部は、3人の紳士に部屋を貸していたがある日、グレーテが弾いていたヴァイオリンを聞き、紳士の一人が近くで弾くように言う。しかし、紳士たちはすぐに興冷めしタバコをふかし始める。一方、グレゴールは彼女の演奏に感動し彼女のそばへ行く。

それを見た、紳士が声を上げ父親が気づき紳士達を追い出そうとするとそれに気分を害した紳士達が間借り料も払わず部屋を出ていくと宣告する。

失望する家族の中で、グレーテはグレゴールは家を出ていくべきだという。

しかしグレゴールはすでにやせて弱っており次の日に死んでしまう。

すぐに片付けられ、家族三人は揃って外出し、娘のために立派な相手をみつけてやらねばならないと思う。

 

 全体を通してグレゴールの姿が変貌したことにより家族の扱いが変わってしまったことがアイデンティティというのが実は脆いものだというメッセージのように感じました。

そして毒虫の姿に変わってしまったグレゴール自身も自身の毒虫という姿に、だんだんと毒虫のように行動していく姿が実存主義な感じなのかなと思いました。

グレゴールの心情が細かに描かれているので何回も読むとさらに新しい発見とかありそうです。それくらいこの作品は深く読み応えがあると思います。

しかし、僕にはまだそれほど深く理解することはできそうにないです。

研究するつもりで読めば少しは理解できそうですが笑

 

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